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最後の写真は993のタペットカバーになります。 先程の写真とは違い、993のタペットカバーは金属的な色合いは無く黒いのです。 これは先程の、930・964モデルがマグネシウム製なのに対し 993は樹脂で出来ております。 樹脂だけでは、グロメットで止めれませんので、その部分にはアルミ製のワッシャーを 組み込んでおります。結構手間が掛かっております。 しかもこのタペットカバーも精密に出来ております。 しかし、この精密さが時には仇となります。 樹脂は、マグネシウムより強度が劣る。 しかも、中にはエンジンオイルが流れておりますので熱も加わります。 しかもグロメットを止める部分は、アルミ製・・・・。 熱膨張率も違います。 長年使用すると、タペットカバー自体が歪みます。 そうすると樹脂のカバーの部分とアルミのワッシャーの部分に隙間が出来ます。 そこから一気に漏れが始ります。 精密な分、普段は滲み一つ無い優秀なカバー。 精密な分、歪むとジワリではなくいきなり漏れが始るカバー。 何故、カバーを樹脂にしたのでしょうか。 軽さを求めたのでしょうか。 それとも、そもそも消耗品で要交換部品と判断したのでしょうか。 理由は分かりません。 その為、993はある日突然漏れたオイルがヒートエクスチェンジャーに掛かり 煙を吹くと言った、乗っている人を驚かせてしまいます。 これらは、どれも空冷ならではかも知れませんが、 基本は点検を怠らずにです。 生産されてから20年以上経つ車輌も増えてまいりました。 これからも長く空冷ポルシェと付き合っていく為に、 お心がけを忘れずに。 それでは、また。 |