トップ > インプレッション > JAGUAR XF“SV8”

JAGUAR XF“SV8”

気品と情緒…ジャガーには「気品」という言葉がよく似合う。凛とした容姿と、優雅でしなやかな立ち振舞いに、異国の工業製品(独逸カー)や工芸品(伊太利カー)にはない「情緒」を思い浮かべる。クーペ的スタイリングとリムジン的抱擁感、さながら低く伸びやかな回廊のように、細くも力強い剣のように。
創造と破壊…英国には尚も国王が君臨し、王室や貴族が永き伝統を継承している。しかし王朝は絶えず入れ替わり、新しい血筋が入り、活性化が行なわれる。それこそが、このXFシリーズ最高峰の“SV8”なのである。Supercharged 4.2Literの強烈な加速(426ps/57.1kgm)は、まるで超音速旅客機Concordeだ。鋭い瞬発力と図太いトルクを受け止める、ボディ剛性やサスペンション性能も、ドイツ車のような安心感に満ち、イタ車のような柔らかくも腰の強い印象を受ける。これは乗らなければ分からない魅力だ。
常道と感動…スポーツカーも凌駕する“SV8”のインテリアは一転、マテリアル感とギミック感覚が充ちる王宮。レザーと天然木が張り巡らされるなかに、アルミ素材を配置する抜群のコーディネート、ドライバーの乗車と共に迫出すATダイヤルーや空調類と、南洋諸国から東インド会社が持ち帰った逸品で賑わった大英帝国時代を彷彿とさせる。優雅さと遊び心をも持ち合わせた、紳士淑女というイメージが、このXF“SV8”なのだ。

- Copyright (C)2003-2004 DAISHO AllRight Reserved -