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Mercedes-Benz E320 cabriolet
SPECIFICATION
"オープンエアの爽快感"
Mercedes-Benz E320 cabriolet
端正な井出たち、自然に??最近、見かけなくなった直線基調のフォルムが、お洒落な街に見事、溶け込んでいく。その佇まいには剛健のなかにも、優雅さが引き立っている。
折り紙付きのドライビング・フィール・・・・・・「これぞジャーマン・テイスト!」を満喫させてくれる、実に良い造りである。重めの操作系や剛性の質感は、クルマ好きなら誰もが絶賛するW124型ミディアム・メルセデス兄弟(例えば500EやE500)の一員なのだから、改めて説明の必要はなかろう。妥協を排し、クルマに必要とされる基本要素を全て備えている安心感は、とりわけオープン・モデルにとっては何にも代え難い。
爽快感・・・・・・しかし、カリフォルニアの紺碧を陽気に流す印象とは訳が違う。アルザスやノルマンディーの憂愁、ベルサイユの講和会談、ベルリンの壁、EU誕生など、長いヨーロッパ史の歓喜や悲哀に想いを馳せつつ、「今、この瞬間、自分が自分たらん」ことに喜びを感じさせるような清々しい開放感である。緊迫した会議を終えて、愛車の幌を開け放つ。欧州の寒空に一筋の陽光が差し込み、日頃の喧騒を放たれる自分を想像して欲しい。
印象度・・・・・・このクルマはデビュー当時、SLモデルよりも高プライスであったという驚くべきエピソードを持っている。欧米では伝統的にクーペ需要が高く、その延長線上に位置するのが、オープン・モデル“E320 Cabriolet”である。決して華美でなく、安全性や居住性から滲み出てくる気品が、乗り手の印象度を大いに高めてくれるはずである。本車はメルセデスの“All or Nothing”思想が強く息衝いていた、佳き時代の申し子であるが、残念ながら以降、後継モデルは存在しないことを申し伝えておきたい。
尚、当車両は1994年式(D車・18000km)。ミディアムシリーズのなかでも、最上級に位置するだけに、控え目ながらも高質感な独自装備を備える。最後の「伝統のメルセデス・オープン」を是非とも、満喫して頂きたい。
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