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Porsche 968 CS
SPECIFICATION
"白馬の騎士とジャーマン・スポーツ"
Porsche 968 CS
印象に残る乗り味……最近のスポーツカーは、本当に速くなった。しかし、記憶に残るかという点では疑問である。 リアルスポーツには欠かせないエッセンスとは、絶対的な速度だけではなく、むしろ体感できる速度こそが重要なのである。 この“968 CS”のように、しっくりとした操作系の手応え、エンジンの息吹と直結したアクセルペダルの踏力感、荒馬のような加速感などが無ければ、たとえ500馬力「スポーツ」といえども、飽食の現代人には満足が出来ないはずである。 その点、このクルマは素直に「面白いねぇ、欲しい」と言わしめる魅力に溢れている。 ノーズをカーブに合わせながら、思い思いのアクセルワークに興じる楽しみは、“CS”ゆえのオーバー・クオリティな足回りが奏効している。
品の良さと質感……これだけ派手な色使いとスタイリングでありながら、品の良さを感じてしまうのは何故だろう。 またその走りにしても、荒馬のようなテイストがありながら、チューニングカーのような下品さがなく、強さと優しさを兼ね備えた白馬の騎士のような真っ当さが感じられる。 見た目や数字だけの改造ではなく、軽量化を徹底した上にも、乗り味や安全性、質感をトータルに突き詰めた、これぞ正統ジャーマン・スポーツの真髄であろう。
尚、当車両は1993年式(走行8600km D車)。この時代、人々の視線と憧憬の的となった車色「スピードイエロー」。 ホールド性十分ながら、疲れないクラブスポーツ専用バケットシートは秀逸である。 走りも造りも、90年代前半ジャーマンだけに、折り紙付きの質である。大昭自動車が心からお勧めしたい一台である。
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