ポルシェ マカン 

年式2016/H28
走行距離2.2万km
外装色キャララホワイト
内装色ブラック/ベージュ
車検2年付
修復歴なし
中古車
排気量2,000cc

2017年モデル、ドアトリムボディ色、ガーネットレッドメーターパネル、CD/DVDチェンジャー、パークアシスト&バックカメラ、クルーズコントロール、キセノンPDLS、ツートンレザーパッケージダッシュボード、エンボス加工クレスト付きヘッドレスト、マルチファンクションステアリングホイール(アメリカンウォルナットブラウン、ヒーター付き)、18インチマカンSホイール、カラークレストセンターキャップ、パワークローズテールゲート、運転席/助手席12WAY電動メモリ付パワーレザーシート、シートヒーターF&R、レーンキープアシスト、プライバシーガラス、エントリードライブ、社外TVチューナー&リアモニター
 

ベーシックスポーツSUV   文章:羽根幸浩

素のマカンも貫禄のリッチさ

 

ポルシェの魅力は、すべてのモデルの「走りの質」の手を抜いていないところだ。

それは当然、もっともベーシックなスポーツSUV、”素”のマカンでも同じ。

自身マカンSを愛車としていた羽根幸浩が、”素”のマカンの走りのリッチさを説く。

 

そのままサーキット走行ができる

 14年に登場した、ポルシェ・マカン。アウディQ5とプラットホームを共用することなどから、ミニカイエン、廉価版カイエン的なイメージで誕生したように思われがちだが、実は確実に独自のキャラクターを持っている。

 まずもって、マカンはオフローダーではない。なにせポルシェが「SUVスポーツカー」と言っている。マカンは新しいジャンルのポルシェというわけだ。

 今回試乗した「素」のマカンは、4気筒のモデル。エントリー用としての位置づけであり、発売当初はアジア向けの専用モデルとして投入されたものだった。(現在は米国、欧州でもラインナップ)。

 このエンジンの源流は、VWゴルフGTIで、アウディQ5の2L TFSIエンジン同様のアップグレードバージョンだ。アジア専用モデル時は、237㎰でGTIやQ5とほぼ同じ(+7ps)だったが、現在はパワーアップして252㎰になっている。

 「素」の0-100km/hは、発売当初が6.9秒(237㎰)、17年モデルが6.7秒(252㎰)。

同じ系統のエンジンを積むQ5は7.1秒(230㎰)だ。車重はマカンが1830㎏、Q5が1880㎏だから、その重量を加味すると、エンジン自体の性能差はさほど大きくないとも言える。

 ところが運転してみると、「素」のマカンはほとんどの人がスポーテイで走りやすい、と感じるはず。とにかく、日常ユースとしても最高な一台なのだ。アウディやメルセデス、BMWのSUVと比較しても、運転席で感じる快適性はまったく引けを取らない。

 今回試乗した「素」のマカンは、標準サスペンションに20インチホイールを装着していた。しかし、不快な突き上げもなく、動きをほどよく制御できている。電制サスのPASMをオプション選択すると、「ノーマル」ではさらにコンフォートさが増す一方、「スポーツ」ではより積極的に動きを制御できる。そこに、トルクベクタリング・プラスを追加すれば、サーキット走行時などのハードユースにも十分対応。コーナリング時のパフォーマンスがアップする。

 今も昔も、ポルシェの凄さを表す代表的な表現は、「そのままサーキット走行することができる」というものだろう。市販される高価なスーパーカーでも、そのままサーキットの全開走行に耐えられるクルマはそんなに多くない。これは、駆動系やブレーキの容量不足など、動力性能とのバランスが不十分だからだ。ポルシェがさすがなのは、「素」のマカンにもその性能が与えられている点に尽きる。

 そんな「素」のマカンを支える全輪駆動システムは、道路状況や地形に応じて、どちらの車軸にどれだけの力が掛かるかを能動的に変化させるもの。通常の運転では、トルクの100%がリアに伝えられるため、スポーティな後輪駆動の感触を作り出す。マカンシリーズでは前後のタイヤサイズを変えているところからも、そんな後輪駆動感への「こだわり」が感じられる。だからこそ、「素」のマカンでもコーナリングは快感が伴うのだろう。

堂々たるリッチさ

 また、7速PDKは「D」モード、またはパドルでの「M」モードが使える。「D」モードは適切なギアを予測してシフトしてくれるものの、しっかり燃費も考慮されているから、普通に走っていると2000rpm以上回ることを嫌っているに感じる場面も。

 しかし、そんな「D」モードで「スポーツ」を選択すると、パワーを最大限に活用するために、高い回転までギアチェンジを遅らせる。エンジン制御マップも変わり、エンジンがダイレクトに反応するようになる。この方がはるかに楽しい。「D」か「M」かに関わらず、瞬時に絶妙なタイミングでシフトしていくこのフィーリングは、動力性能以上にスポーティで満足のいくものだ。

 このように、素晴らしい走りを見せる「素」のマカンだが、それがポルシェの努力の結晶だということは容易に想像できる。

 というのは、近年、エンジン性能評価の方向性が大きく変わってきているからだ。燃費や環境性能への配慮の比重が大きく、番外のスーパーカー以外、エンジンパフォーマンスはどこのメーカーも目玉とはしない。ポルシェといえども、こういった時代の流れには逆らえず、スポーツカーにとって魂とも言える「エンジン」をどう料理するかが腕の見せどころとなっている。

 しかしながら、特に「素」のマカンのように、ほぼ同じエンジンを搭載するVW、アウディと走行性能を差別化し、際立たせ、味付けするのに、特別な方法はない。制御とプログラムを煮詰めるという、繊細で地味な作業を繰り返すほかはないのだ。

 そこで重要となってくるのが、その表現の仕方をエンジンだけに絞らないこと。大切なのは、ここ10年で劇的に進化したトランスミッションを含めた制御方法をどう捉えるかにある。トランスミッションのシフトプログラムとエンジン制御の連動が、動力系の走行フィーリングを大きく左右する。これによって、クルマはまったく違ったものになるのだ。

 その点、ポルシェはそういった制御には昔から定評があり、すでに独自の方向性を確立している。

 たとえばPDKの911の場合。通常のスポーツ走行で、左足でブレーキを踏んでも違和感はまったくない。アクセルとブレーキが多少オーバーラップしても、制御はほぼ介入しない。今僕が普段乗っているアウディA6アバントは、アクセルとブレーキが少しでもオーバーラップすると、途端に制御が入り、アクセルを閉じる。次の瞬間、アクセルを踏み足しても

まったく反応しない。

 では同じエンジン、機構を持つマカンはどうかというと、たしかに介入はするがすぐにアクセルは反応するようになる。この時間が明らかに短い。こういった繊細な部分の制御プログラムは、スポーツ走行を考えた場合、致命的な違いになる。

 こういった違いはほかにも至るところにあるが、スポーツ走行を考えた場合、ポルシェの制御はダントツに優れている。この制御により、ポルシェはマカンをスポーツカーに変えることに成功したと言える。

 ポルシェの魅力は、これまでの911シリーズが示すように、「素」に乗ればその素性のよさが分かった。マカンも同様で、「素」がもっともマカンらしさを表している。「素」のマカンに乗ると、その堂々たる味わいの豊かさ(リッチさ)に思わず唸りたくなるのだ。


                                                                       (参考文献 911DAYS vol.69  2017AUTUMN)


 

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